アパート一棟を自己管理するのは、とても大変です。
住民トラブルや家賃未納者への督促手続き、アパートの清掃の他、空き室になった場合は住居者の募集をするなど、管理業務は多岐に渡るのです。
アパートを何棟も所有している場合は、さらに難しくなり心労が重なってしまいます。
今回は、アパート一棟を賃貸管理会社に委託した場合の管理費や注意点をご紹介したいと思います。
アパートを賃貸会社に委託するとは?
まず、アパート管理には大きく分けて建物管理と賃貸管理の2種類があります。
建物管理は、定期清掃や保守点検、不具合があった箇所の小修繕などの管理を行うのです。
賃貸管理は、入居者対応が主な管理となり、募集から集金、滞納の督促、クレーム対応などの賃貸経営を左右する重要な業務を行っています。
管理会社に委託せず、オーナー自らがすべての業務をこなすこともできますが、アパート経営を副業で行う方や所有物件数が多い方は、定期的なメンテナンスが難しいため、結果的に空き部屋をたくさん出してしまうというケースもあります。
管理会社は建物の管理を行うノウハウを持っているので、住居者の募集や、クレームへの柔軟な対応など、管理会社に委託することで円滑なアパート経営が可能です。
特に地域密着型の管理会社は、その土地に深くかかわっているため、地域の特徴を熟知していますので、さらに迅速な対応を期待できます。
また、安定した不動産経営をしたいと考える場合は、サブリースと呼ばれる制度もあります。
サブリースとは、管理会社がオーナーからアパート1棟を丸ごと借り上げ、管理会社が転貸運用をすることです。
この場合、空き室や滞納の有無にかかわらず毎月一定の賃料が支払われるため、安定した賃貸経営を進められます。
管理会社に支払う管理費について
管理会社に支払う手数料の相場は、家賃収入の約5%~10%です。
例えば、毎月の家賃が100万円で、管理会社への手数料が5%の場合、100万円×5%で、管理会社に支払う管理費は5万円となります。
管理会社の手数料が安いほうがよいと考えるかもしれませんが、手数料とは別にシステム料や更新事務手数料が必要になることもありますので、管理会社の選定には十分注意を払う必要があるのです。
また、サブリースは家賃保証システムと呼ばれます。
最近多くなった住宅メーカーが建設しているアパートは、このサブリースを採用しているケースが多いです。
この場合、土地をすでに所有しているオーナーであれば土地代の負担がないため、高めの管理費を支払っても収支が合いますが、土地も建物もローンで購入する際はリスクが高くなります。
アパート一棟を管理会社に委託するときに注意する点
サブリースの場合、管理会社からオーナーに支払われる賃料は、満室想定時の83%~88%程度が相場です。
また、家賃保証型サブリースも永久的に家賃が保証されるわけではなく、空き室が多く発生すると賃料の減額を要求されることがあります。
このようなことを念頭に入れて、運用スケジュールを調整する必要があるでしょう。
次に注意すべき点は、管理会社は入居者に立ち退きを請求することはできません。
契約解除は賃貸人であるオーナーが請求する必要があり、仮に管理会社が賃貸人に成り代わって立ち退きを行うと、弁護士法に違反することになります。
管理会社に委託する際は、賃料の減額や契約解除についてリサーチしておく必要があるでしょう。
まとめ
アパート一棟を自分で管理すると管理費節減にはなりますが、一概に収益が増えるとは言えません。
ノウハウやルートがなければ、住居者の募集や設備修繕のために業者を呼ぶことにコストがかかります。
その結果、さまざまなことを鑑みて管理会社に管理費を支払う方が安く済むケースもあります。
管理方法にも様々な種類があるので、実績豊富な管理会社に委託し、安定した不動産経営を行いましょう。